クズで冷徹な御曹司は、キケンな沼です
「朝はケンカしちゃったけどね……」


視線を下げる私を、芹ちゃんが優しくなだめた。


「自信もっていいと思うけどなぁ。だって、もう出会った頃の二人に戻りたくないでしょ?」

「それは……。うん、もちろん!」

「なら、その時よりも今は進歩してるって事だよ。凪緒が頑張ってる証拠」

「そっか……。ありがとう、芹ちゃん」


ふふ、と笑う芹ちゃんに癒される。

友達と話していると、不思議とパワーを貰える気がする。

その証拠に、先輩とケンカした傷も癒えてきた。帰ったら「意地はってごめんなさい」って、きちんと謝ろう。


と、思っていたけど。


なんと私は、家で会うよりも先に、先輩と遭遇することになる。

それは――


「え~。では体育祭実行委員会を始めま、」

「キャー! 響希様よ!」
「今日もカッコイイ~!」

「こほん。そこ、静かに!」


前回とは違う、騒がしい委員会。
それもそのはず。なぜなら――

委員会の教室に、城ケ崎先輩の姿があるから。
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