君と奏でる世界は、虹色に輝いている。

#6


数日後、私はミーティングのため事務所の会議室に向かった。

結局、遠坂さんのあの言葉の意味はわからないまま。

会議室に向かうと、すでに一色さんやコンサートスタッフ、由弦さんがいた。

今日は、クリスマスコンサートのミーティングだ。

「では、今月末からリハ開始ということで、よろしくお願いします」

リハーサルの日程など一通り打ち合わせが終わると、由弦さんはこのあと別の仕事があるということで、一色さんと一緒に会議室を出ていった。

他のスタッフもみんな「お疲れ様でした」と言いながら部屋を出ていく。

部屋を出ようとした時、何気なく足元に視線を向けると、テーブルの下に何かが落ちているのが見えた。

みんな先に部屋を出ていて、残っているのは私ひとり。

さっき部屋にいた誰かが落としたのかな?

気になって拾ってみると、それは1枚の写真だった。

なんでこんなところに落ちてるんだろう?

不思議に思いつつ写真を見ると、そこに写っていたのは穏やかに微笑む可愛い女の子。
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