クールな御曹司の溺愛は初恋妻限定~愛が溢れたのは君のせい~
大変な時なのに有栖川さんに余計な心配をさせてはいけない。気を強く持たなくては。
アルコール消毒をして病室の扉を開けると、大きなベッドに彼のおじいさまが横たわっていた。酸素マスクをし、たくさんの管に繋がれたその姿が痛々しくて、直視できない。
「じいさん、なに弱った顔してるんだ?」
有栖川さんがおじいさまの手を両手でしっかりと握って話しかけると、おじいさまが彼の名前を呼んだ。
「蒼、私は美雪ちゃんの花嫁姿が見たい」
おじいさまが自分の手で酸素マスクを外して喋る。
意外に声がしっかりしていてホッと胸を撫で下ろしたら、横にいる有栖川さんが数秒スーッと目を細めておじいさまを見つめ、すぐにうっすら口角を上げた。
「そんなに俺を結婚させたいですか?」
なんだろう? 室温が一気に五度下がったような気がする。
顔は笑っているけど、有栖川さん怒ってる?
「ああ。いつまで美雪ちゃんを待たせる気だ? もうアメリカに戻ってもお前のポストはない。これからは日本で仕事をしろ」
アルコール消毒をして病室の扉を開けると、大きなベッドに彼のおじいさまが横たわっていた。酸素マスクをし、たくさんの管に繋がれたその姿が痛々しくて、直視できない。
「じいさん、なに弱った顔してるんだ?」
有栖川さんがおじいさまの手を両手でしっかりと握って話しかけると、おじいさまが彼の名前を呼んだ。
「蒼、私は美雪ちゃんの花嫁姿が見たい」
おじいさまが自分の手で酸素マスクを外して喋る。
意外に声がしっかりしていてホッと胸を撫で下ろしたら、横にいる有栖川さんが数秒スーッと目を細めておじいさまを見つめ、すぐにうっすら口角を上げた。
「そんなに俺を結婚させたいですか?」
なんだろう? 室温が一気に五度下がったような気がする。
顔は笑っているけど、有栖川さん怒ってる?
「ああ。いつまで美雪ちゃんを待たせる気だ? もうアメリカに戻ってもお前のポストはない。これからは日本で仕事をしろ」