クールな御曹司の溺愛は初恋妻限定~愛が溢れたのは君のせい~
 それが多分、私との結婚を終わらせる最善の策なのだろう。
「そうですね」
 無理矢理笑顔を作って返すと、彼に変な顔をされた。
「大丈夫か?」
 安心させるために笑ってみせたのだけれど、有栖川さんにしてみれば不幸な話なのだから、不謹慎だったかもしれない。
「いっそのこと、結婚式当日に逃亡しようかな……」
「それは大騒ぎになるからやめてくれるかな?」
 彼の声が聞こえて反射的に相槌を打つ。
「そうですよね……って、ええっ!? 私の声漏れてました?」
 青ざめながら確認すると、彼は私をジーッと見つめながら答える。
「ああ。神崎さんには迷惑をかけて、本当にすまない」
 彼が申し訳なさそうに頭を下げるので、あたふたしながらも必死にフォローした。
「あ、頭を上げてください。私、全然大丈夫ですから。式なんて数時間で終わるでしょうし、平気ですよ。むしろ、次に結婚する時の予行練習になってラッキーって……あっ」
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