唇を隠して,それでも君に恋したい。



「マスク,ついてる」



パッと同じ位置に触れてみる。

そこには米の粒がひとつついていた。



「あ,ありがと」



食事のたびにマスクを外さない僕。

リューは潔癖ってことにしてくれてるけど,そんな奴がマスクをしたままなんてかえって不衛生だ。

そんな変な奴なのに,皆は疑問を口に出さず受け入れてくれている。

僕はとてもいい人たちと友達になれて,良かったと心から思った。



「そう言えば今日の単語テスト,結局やるんだって」



敦の言葉に,スズと三太の肩が跳ねる。



「まじかよ」

「やんないって言ったのに嘘つきじゃんっっ!!」



僕は肩を竦めて2人へ言った。



「今からやればいいんだよ。なんなら別に昼休み終わったあとの10分でも十分間に合うでしょ」



言いながら,僕は少しドキドキしていた。

何故か,リューだけじゃなく,敦の顔までもが見れない。

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