唇を隠して,それでも君に恋したい。
「いいよなー。伊織は何だかんだ運動以外は完璧だもんな。どこにそんな記憶力が詰まってんだよ」
「俺も少し位予習·復習した方がいいのかな」
気落ちする2人には申し訳ないけど。
僕は予習も復習もしたことがない。
S·Pは生まれたその時から,ある程度の学習能力を保証されている。
生まれてこの方,解らない問題などであったこともなく,一時は成績を平均にコントロールしていたこともあるけど、疲れるだけだと悟ってからは常に1位を独占していた。
だから某有名大学や某研究所への進学·就職も国によって決められているし。
決められているから,進路に迷うこともない。
つまり,僕たちは政府の目の届くところに,永遠と閉じ込められ続けるのだ。