唇を隠して,それでも君に恋したい。
ど,どうしよう。
1度したとは言えあれは事故だ。
"される"のとは違う。
それに僕はまだどうしたいのか分からない。
拒否しようにも戸惑ってしまう。
だってリューは
大事な,大事な友達……で。
目を開けられない,上げられない。
リューにとっては残酷なことを唱えながら,僕は敦や皆との日々を思い出した。
そして,リューに告白されたときのことも。
「緊張してる?」
強張ってるけど,と触れられた肩は,何故かじんわりと熱を持っていく。
僕がふいとようやく顔を逸らすと,リューは僕を解放した。
「伊織の反応は正しい。だから俺の前で気を抜くな。だけど……余裕があるなら,もっと見て」
リューは1人で歩きだしてしまう。
僕はずるりと身体を動かして,時期にこつこつとあとを追った。
こんなの,これじゃあまるで。
学生のピュアな告白と言うよりもっとずっと深い……
愛の言葉みたいだと思った。
……
ートン,トントン。
ふと後ろから聞こえる足音を消したような音。
僕は顔を上げて,不思議に思いながら後ろを見ると相手は男だった。
細身で身長が高くて,体型だけならスズに近い。
咄嗟ながら僕がそんなことまで把握したのは,その男が僕に覆い被さるように傾いたからだ。