❤️俺にお前の心をくれ~若頭はこの純愛を諦められない
「美希は大丈夫でしょうか、病を患っていますので……」

「美希さんではなく、由梨です、西園寺由梨が彼女の本当の名前です、
俺の妻です」

「失礼ですがあなたと由梨さんの婚姻関係は白紙の状態でしょう、三年間、
消息不明の場合、婚姻関係は認められません、美希と私は五年間一緒に生活しておりました、
ですから事実婚が認められて、自分と美希が夫婦同然です、これから美希を迎えに伺います」

「ちょっと待ってく」

電話は切れた。

確かに相手の言っていることは理にかなってる。

健吾は組のため、後藤組孫娘と婚姻関係を結んだ。

現在は離婚を考えているが、由梨とは法律上全くの赤の他人だ。

五年ぶりに健吾の目の前に現れて、ほかの男と生活を共にしている現状に、

冷静に対応出来るはずもない。

「由梨、この先、俺と暮らそう」

「でも……」

健吾は由梨の頬を両手で挟み、そっとキスをした。

由梨はそのキスを受け止めた。

(なんか、この感じ、どこかで、すごく、いい)

健吾は堪らず、由梨の胸に触れた。

由梨はビクッと身体が震えた。
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