監獄学園にやってきたクズな大罪人は、男ぎらいな次席看守さまを落としたい。


「なんだ、積極的じゃねぇか。1人でさみしかったとか?」


「そんなわけないでしょう!子どもじゃないんですから」


「そりゃそうだ。子どもじゃねぇから惚れたわけだし?」




 目をぱちくりさせて、すこしのあいだ考える。

 そういえばさっきも言ってたっけ。

 惚れたとかなんとか。




「…また私をだまそうとしてるんですか?その手にはもう乗りませんから」


「うそじゃねぇって。本気で好きだって言ってんだ」


「はいはい、残念でした。私はあなたみたいなひとはタイプじゃありません」




 108番の手をふり払って、ほうきの柄を肩にかける。

 両手で108番の胸を押すと、その体は一歩だけうしろに下がった。




「あぁ、知ってる。誠実で人にたよらなくて、女を守る男がタイプ、だろ?そんなの変えてやるよ」


「…えっ?」
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