「妹にしか思えない」と婚約破棄したではありませんか。今更私に縋りつかないでください。
「……今回の件に関して、君達は少々納得がいっていないのかな?」

 私とクルレイド様が客室で話していると、ギルドルア様がやって来た。
 やっていることと比べて、彼の態度はやはり軽い。その軽さが、私達を困惑させる。

「納得がいっていないという訳ではありません。俺も王族の端くれですから、兄上の言っていることは理解しているつもりです」
「その割には不服そうだね?」
「いえ、だからそういう訳では……」
「ふふ、僕は君のそういう所は美徳だと思っている。できることなら、そのまま変わらないでいて欲しいものだ」

 ギルドルア様は、ある種の甘さがあるクルレイド様に好感を持っているようだ。
 それは、その態度から伝わってくる。ランカーソン伯爵夫人には冷酷な彼だが、弟のことは真っ当に愛しているらしい。

「俺は兄上のようになりたいと思っていますよ。王族としては、多分その方が正しい」
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