【シナリオ】御曹司には興味がない〜スマホ依存症の私に執着しないで〜
第十四章 捕獲
〇エントランス
退社時間になり、紗菜は早々にオフィスを後にする。昨日は、一日満足にスマホを触ることができずに、気づけば今朝は翠の家だった。慌てて自宅に帰って出社したので、スマホをゆっくりと見る時間はなかった。今日に限って、外出の予定もなく、オフィスで悶々としながら仕事をこなしていたのだ。
紗菜「はあ〜」
外の空気を吸って、やっと解放された気持ちになれた。スマホ片手に、駅へ向かおうとしていたところで、横に車が止まったのだ。
翠「おい!」
聞き覚えのある声だが、聞こえない振りをする。
翠「おい! 俺を無視するとはいい度胸だな。水野紗菜」
車の後部座席の窓から、大きな声でフルネームを呼ばれてしまい、これ以上無視するわけにもいかずに視線をむけた。
紗菜「何か御用でしょうか?」
翠「用があるから、声を掛けたんだ」
紗菜「何でしょうか?」
蓼科が助手席から降りてきて、後部座席の扉を開けた。
蓼科「オフィスに近く、目立ってしまいますので、お乗りください」
紗菜「……(嫌ですけど〜)」
内心で抵抗するも、これ以上目立ちたくもなければ、放っておいてほしいのが本音だ。しぶしぶ、車へ乗り込んだ。
翠「今朝、さっさといなくなるとはいい度胸だな」
蓼科「翠、脅しているのか?」
翠「はあ? そんなつもりはない」
紗菜「私はどうして社長のお宅へ連れて行かれたのでしょうか?」
翠「翠」
紗菜「はい?」
翠「社長と呼ばれたら他人行儀だ」
紗菜「他人ですが」
翠「俺も紗菜と呼ぶ」
突然の翠の変わりように、意味がわからなくて戸惑う。
蓼科「本当に、不器用だな」
翠「うるさい!」
蓼科「水野さん、最後まで見捨てず、話を聞いてやって下さい」
翠「俺を憐れむな。紗菜、今日から同棲するぞ」
紗菜「はあ? 言っていることがわかりません」
翠「簡単だ。俺は、紗菜の作った調査書に惚れた。そして、紗菜本人に会って、さらに惚れた。で、紗菜の運営するサイトにも惚れた。紗菜のすべてが俺を刺激する」
紗菜「……」
若干引くところはあるが、あまりのストレートな告白に、慣れない紗菜は顔を真っ赤にする。
翠「どうだ? わかったか?」
紗菜「わかったかと言われても……。私に断る選択肢は?」
翠「ない! 今は、何とも思わないかもしれないが、すぐに俺に惚れるはずだ」
自信満々な俺様を発揮している。
紗菜「私の方が年上だと思うのですが」
翠「それが何か問題か?」
問題かと聞かれれば、翠が気にならないのなら、問題ではないのか。
紗菜「私、スマホ依存症なんです」
翠「スマホ依存症?」
紗菜「はい。常にスマホを触ってないと不安で、一日中触っています」
翠「仕事中は我慢できているんじゃないか?」
紗菜「まあ。仕事ですから」
翠「なら、俺といる時は、スマホを触りたくなる暇もないくらい愛してやる」
紗菜「へ?」
翠「俺に任せておけ!」
何を任せるのかわからないが、突然御曹司からの溺愛が始まった。
退社時間になり、紗菜は早々にオフィスを後にする。昨日は、一日満足にスマホを触ることができずに、気づけば今朝は翠の家だった。慌てて自宅に帰って出社したので、スマホをゆっくりと見る時間はなかった。今日に限って、外出の予定もなく、オフィスで悶々としながら仕事をこなしていたのだ。
紗菜「はあ〜」
外の空気を吸って、やっと解放された気持ちになれた。スマホ片手に、駅へ向かおうとしていたところで、横に車が止まったのだ。
翠「おい!」
聞き覚えのある声だが、聞こえない振りをする。
翠「おい! 俺を無視するとはいい度胸だな。水野紗菜」
車の後部座席の窓から、大きな声でフルネームを呼ばれてしまい、これ以上無視するわけにもいかずに視線をむけた。
紗菜「何か御用でしょうか?」
翠「用があるから、声を掛けたんだ」
紗菜「何でしょうか?」
蓼科が助手席から降りてきて、後部座席の扉を開けた。
蓼科「オフィスに近く、目立ってしまいますので、お乗りください」
紗菜「……(嫌ですけど〜)」
内心で抵抗するも、これ以上目立ちたくもなければ、放っておいてほしいのが本音だ。しぶしぶ、車へ乗り込んだ。
翠「今朝、さっさといなくなるとはいい度胸だな」
蓼科「翠、脅しているのか?」
翠「はあ? そんなつもりはない」
紗菜「私はどうして社長のお宅へ連れて行かれたのでしょうか?」
翠「翠」
紗菜「はい?」
翠「社長と呼ばれたら他人行儀だ」
紗菜「他人ですが」
翠「俺も紗菜と呼ぶ」
突然の翠の変わりように、意味がわからなくて戸惑う。
蓼科「本当に、不器用だな」
翠「うるさい!」
蓼科「水野さん、最後まで見捨てず、話を聞いてやって下さい」
翠「俺を憐れむな。紗菜、今日から同棲するぞ」
紗菜「はあ? 言っていることがわかりません」
翠「簡単だ。俺は、紗菜の作った調査書に惚れた。そして、紗菜本人に会って、さらに惚れた。で、紗菜の運営するサイトにも惚れた。紗菜のすべてが俺を刺激する」
紗菜「……」
若干引くところはあるが、あまりのストレートな告白に、慣れない紗菜は顔を真っ赤にする。
翠「どうだ? わかったか?」
紗菜「わかったかと言われても……。私に断る選択肢は?」
翠「ない! 今は、何とも思わないかもしれないが、すぐに俺に惚れるはずだ」
自信満々な俺様を発揮している。
紗菜「私の方が年上だと思うのですが」
翠「それが何か問題か?」
問題かと聞かれれば、翠が気にならないのなら、問題ではないのか。
紗菜「私、スマホ依存症なんです」
翠「スマホ依存症?」
紗菜「はい。常にスマホを触ってないと不安で、一日中触っています」
翠「仕事中は我慢できているんじゃないか?」
紗菜「まあ。仕事ですから」
翠「なら、俺といる時は、スマホを触りたくなる暇もないくらい愛してやる」
紗菜「へ?」
翠「俺に任せておけ!」
何を任せるのかわからないが、突然御曹司からの溺愛が始まった。