Love is blind〜無口で無愛想な作家は抑えられない独占愛を綴る〜
* * * *
瑠維は珍しく仕事で追い込まれているらしく、久しぶりに一人で歩いて帰っていた。
当たり前のように迎えに来てもらっていたけど、よく考えてみればこれが普通の生活なのだ。
あの事件の前までは、疲れた体を奮い立たせて仕事の帰りにスーパーに寄って、夕飯と明日の朝食の買い出しをする。それから家に帰って、夕食を食べながらぼんやりとテレビを見て、シャワーを浴びて寝るーー。
でも今は自分の家ではなく、瑠維の家へと帰っていた。しかし昼間の博之との会話が頭から離れず、気分は沈んでいた。
詳しくは瑠維に聞けと博之は言ったが、どうやってそのことを切り出したいいのか、全く思いつかなかった。
瑠維のマンションに着き、合鍵を使ってオートロックを解除してからマンションの中へ入る。初めて瑠維と結ばれたあの日から、この合鍵は自然と春香の持ち物になっていたのだ。
エレベーターに乗り込み、部屋のある階に到着すると、鍵を開けて部屋に滑り込んだ。
「ただいまー。瑠維くーん?」
明るく照らされたリビングに向かって声をかけたが、彼からの返事はない。もしかしてと思って、書斎のドアを開けてみると、机に突っ伏して寝息を立てる瑠維がいた。
春香が近くに寄っても、全く起きる気配がない。深い眠りにつく瑠維の寝顔が可愛くて、つい顔がニヤけてしまう。
あぁ、どうしよう……。抱きしめたいしキスがしたいーーそんな野獣のような考えを、頭を思い切り横に振って追い払う。
近く置いてあったブランケットを瑠維の肩にそっとかけると、後ろ髪を引かれながらも、静かに書斎を後にした。
仕事用のカバンをソファに置き、スーパーの袋を持ってキッチンに入る。今日のメニューはカレーライス。炊飯器のスイッチを入れてから、肉と野菜を切り始めた。
こうして何かをしていれば気が紛れる。瑠維に対する煩悩も、博之の言葉も気にせず、料理に打ち込んでいく。
ちょうどカレールーを入れたところでリビングの扉が開き、瑠維がひょっこり顔を出した。
「おかえりなさい。今日は迎えに行けず、すみませんでした」
「ただいま。全然だよー。仕事は終わった?」
「はい、無事に」
すると背後から抱きついてきた瑠維のお腹が、大きな悲鳴をあげたため、春香は笑いが止まらなくなる。
「ごめんね、お腹空いてた?」
「昼食を抜いてしまったのでぺこぺこです」
「それは大変。すぐ出来るから、そこに座って待っててね」
カウンター席を指さすと、瑠維は頷いてから椅子に座った。
瑠維は珍しく仕事で追い込まれているらしく、久しぶりに一人で歩いて帰っていた。
当たり前のように迎えに来てもらっていたけど、よく考えてみればこれが普通の生活なのだ。
あの事件の前までは、疲れた体を奮い立たせて仕事の帰りにスーパーに寄って、夕飯と明日の朝食の買い出しをする。それから家に帰って、夕食を食べながらぼんやりとテレビを見て、シャワーを浴びて寝るーー。
でも今は自分の家ではなく、瑠維の家へと帰っていた。しかし昼間の博之との会話が頭から離れず、気分は沈んでいた。
詳しくは瑠維に聞けと博之は言ったが、どうやってそのことを切り出したいいのか、全く思いつかなかった。
瑠維のマンションに着き、合鍵を使ってオートロックを解除してからマンションの中へ入る。初めて瑠維と結ばれたあの日から、この合鍵は自然と春香の持ち物になっていたのだ。
エレベーターに乗り込み、部屋のある階に到着すると、鍵を開けて部屋に滑り込んだ。
「ただいまー。瑠維くーん?」
明るく照らされたリビングに向かって声をかけたが、彼からの返事はない。もしかしてと思って、書斎のドアを開けてみると、机に突っ伏して寝息を立てる瑠維がいた。
春香が近くに寄っても、全く起きる気配がない。深い眠りにつく瑠維の寝顔が可愛くて、つい顔がニヤけてしまう。
あぁ、どうしよう……。抱きしめたいしキスがしたいーーそんな野獣のような考えを、頭を思い切り横に振って追い払う。
近く置いてあったブランケットを瑠維の肩にそっとかけると、後ろ髪を引かれながらも、静かに書斎を後にした。
仕事用のカバンをソファに置き、スーパーの袋を持ってキッチンに入る。今日のメニューはカレーライス。炊飯器のスイッチを入れてから、肉と野菜を切り始めた。
こうして何かをしていれば気が紛れる。瑠維に対する煩悩も、博之の言葉も気にせず、料理に打ち込んでいく。
ちょうどカレールーを入れたところでリビングの扉が開き、瑠維がひょっこり顔を出した。
「おかえりなさい。今日は迎えに行けず、すみませんでした」
「ただいま。全然だよー。仕事は終わった?」
「はい、無事に」
すると背後から抱きついてきた瑠維のお腹が、大きな悲鳴をあげたため、春香は笑いが止まらなくなる。
「ごめんね、お腹空いてた?」
「昼食を抜いてしまったのでぺこぺこです」
「それは大変。すぐ出来るから、そこに座って待っててね」
カウンター席を指さすと、瑠維は頷いてから椅子に座った。