Love is blind〜無口で無愛想な作家は抑えられない独占愛を綴る〜
炊き上がったばかりのご飯を皿に盛り、そこへカレーをかけて瑠維の前に差し出した。
「ありがとうございます。食欲がそそられますね」
寝癖がついた髪と、部屋着のTシャツにスウェットを見れば、家から一歩も出ていないのがわかる。
瑠維がカウンターに前のめりになり、カレーの匂いを思い切り吸い込む姿が可愛いくてキュンとする。いつものクールな印象とのギャップについ見惚れて、自分の分のカレーを危うくこぼしそうになって冷や汗をかいた。
「先に食べちゃっていいよ」
「いいですか? ではお言葉に甘えて……」
手を合わせてから食べ始めた瑠維は、目をキラキラさせて春香を見る。
「美味しいです」
「本当? 良かったー。急いで作ったから心配だったけど、やっぱり市販のルーで失敗はないね。でもそう言ってもらえると嬉しいな」
春香も瑠維の隣に座り、早くなった鼓動を鎮めるように食べ始めた。
「今日先輩たちにお会いになったんですよね」
「うん、二人にちゃんと報告していなかったから。あの男が逮捕されたことと……瑠維くんと付き合い始めたってこと」
瑠維は食べていた手を止めて、春香の方に向き直る。
「先輩に報告してくれたんですか?」
「ん? もちろん。あれっ、ダメだった?」
「ち、違うんです。春香さんの口から付き合ってるって言ってもらえたかと思うと感無量というかーーそこに立ち会いたかったです」
両手で春香の頬をそっと包み、じっと瞳を見つめる。目が赤くなっている瑠維を見て、春香は驚いて同じように彼の頬を両手で挟む。
「えっ、大丈夫? どうしたの?」
「……すごく嬉しいんです。いつまで経っても先輩は越えることの出来ない壁で、ライバルだと思っていたからーーやっと春香さんの一番そばにいられるようになったんだなと思って」
ライバル? 最初は意味がわからなかったが、頭の中で小説の内容と照らし合わせることで、ようやく理解する。
「……そ、それって、もしかしてヤキモチ?」
「……そうです」
瑠維が伏せ目がちに言った言葉を聞いた春香は、思わず胸が熱くなった。
「ありがとうございます。食欲がそそられますね」
寝癖がついた髪と、部屋着のTシャツにスウェットを見れば、家から一歩も出ていないのがわかる。
瑠維がカウンターに前のめりになり、カレーの匂いを思い切り吸い込む姿が可愛いくてキュンとする。いつものクールな印象とのギャップについ見惚れて、自分の分のカレーを危うくこぼしそうになって冷や汗をかいた。
「先に食べちゃっていいよ」
「いいですか? ではお言葉に甘えて……」
手を合わせてから食べ始めた瑠維は、目をキラキラさせて春香を見る。
「美味しいです」
「本当? 良かったー。急いで作ったから心配だったけど、やっぱり市販のルーで失敗はないね。でもそう言ってもらえると嬉しいな」
春香も瑠維の隣に座り、早くなった鼓動を鎮めるように食べ始めた。
「今日先輩たちにお会いになったんですよね」
「うん、二人にちゃんと報告していなかったから。あの男が逮捕されたことと……瑠維くんと付き合い始めたってこと」
瑠維は食べていた手を止めて、春香の方に向き直る。
「先輩に報告してくれたんですか?」
「ん? もちろん。あれっ、ダメだった?」
「ち、違うんです。春香さんの口から付き合ってるって言ってもらえたかと思うと感無量というかーーそこに立ち会いたかったです」
両手で春香の頬をそっと包み、じっと瞳を見つめる。目が赤くなっている瑠維を見て、春香は驚いて同じように彼の頬を両手で挟む。
「えっ、大丈夫? どうしたの?」
「……すごく嬉しいんです。いつまで経っても先輩は越えることの出来ない壁で、ライバルだと思っていたからーーやっと春香さんの一番そばにいられるようになったんだなと思って」
ライバル? 最初は意味がわからなかったが、頭の中で小説の内容と照らし合わせることで、ようやく理解する。
「……そ、それって、もしかしてヤキモチ?」
「……そうです」
瑠維が伏せ目がちに言った言葉を聞いた春香は、思わず胸が熱くなった。