Love is blind〜無口で無愛想な作家は抑えられない独占愛を綴る〜
* * * *
瑠維を待たせないようにと、濡れた髪のままリビングに戻った春香だったが、そこに瑠維の姿はなかった。
『僕は書斎に布団を敷いて寝るので、安心して使ってください』
先ほどそう言っていたのを思い出し、書斎はどこかと部屋を見渡す。しかしリビングにはそれ以外の扉はなく、ここではないことはわかった。
浴室の隣は寝室、その向かい側にはトイレがあり、そしてトイレの隣の部屋の扉はいつも閉まっており、中を見たことはなかった。
きっとあそこに違いない。春香は静かに部屋の前まで歩いていくと、床とドアの隙間から灯りが漏れていることに気付く。
仕事中だろうか。邪魔をするのは良くないと思いながらも、意を決して深呼吸をすると、扉をノックをした。
すると部屋の中から椅子が倒れるような激しい音がしてから、ドアノブに何かがぶつかった衝撃音がする。驚いた春香は体をビクッと震わせた。
それから十秒ほど静まり返ったかと思うと、ゆっくりと扉が開く。中から顔を出した瑠維はいつも通り無表情ではあったが、何故か額に汗が光っていた。
「あっ、ごめんね。お仕事中だった?」
春香がそう問いかけた途端、瑠維はメガネの位置を直しながら下を向いた。
「いえ、大丈夫です。もう出られたんですね。ゆっくり出来ましたか?」
「うん、ありがとう。リラックス出来たよ」
「それは良かったです。では明日も忙しいと思うので、もう休んでください」
「そ、そのことなんだけど!」
「はい?」
春香はゴクリと唾を呑んでから、瑠維の顔を見る勇気はなく、目を閉じてから口を開く。
「やっぱり瑠維くんのベッドで寝るわけにはいかないから、私がリビングで寝る! だから瑠維くんは寝室で寝て。じゃないと泊めてもらう側なのになんか……私の気が済まないから……」
ちゃんと気持ちは伝わっただろうかーー春香が不安げな様子で瑠維を見上げると、彼がいつも通りの冷静な視線を投げかけていた。
あれ、想像していたものと違う反応ーー春香は思わず首を傾げた。
瑠維を待たせないようにと、濡れた髪のままリビングに戻った春香だったが、そこに瑠維の姿はなかった。
『僕は書斎に布団を敷いて寝るので、安心して使ってください』
先ほどそう言っていたのを思い出し、書斎はどこかと部屋を見渡す。しかしリビングにはそれ以外の扉はなく、ここではないことはわかった。
浴室の隣は寝室、その向かい側にはトイレがあり、そしてトイレの隣の部屋の扉はいつも閉まっており、中を見たことはなかった。
きっとあそこに違いない。春香は静かに部屋の前まで歩いていくと、床とドアの隙間から灯りが漏れていることに気付く。
仕事中だろうか。邪魔をするのは良くないと思いながらも、意を決して深呼吸をすると、扉をノックをした。
すると部屋の中から椅子が倒れるような激しい音がしてから、ドアノブに何かがぶつかった衝撃音がする。驚いた春香は体をビクッと震わせた。
それから十秒ほど静まり返ったかと思うと、ゆっくりと扉が開く。中から顔を出した瑠維はいつも通り無表情ではあったが、何故か額に汗が光っていた。
「あっ、ごめんね。お仕事中だった?」
春香がそう問いかけた途端、瑠維はメガネの位置を直しながら下を向いた。
「いえ、大丈夫です。もう出られたんですね。ゆっくり出来ましたか?」
「うん、ありがとう。リラックス出来たよ」
「それは良かったです。では明日も忙しいと思うので、もう休んでください」
「そ、そのことなんだけど!」
「はい?」
春香はゴクリと唾を呑んでから、瑠維の顔を見る勇気はなく、目を閉じてから口を開く。
「やっぱり瑠維くんのベッドで寝るわけにはいかないから、私がリビングで寝る! だから瑠維くんは寝室で寝て。じゃないと泊めてもらう側なのになんか……私の気が済まないから……」
ちゃんと気持ちは伝わっただろうかーー春香が不安げな様子で瑠維を見上げると、彼がいつも通りの冷静な視線を投げかけていた。
あれ、想像していたものと違う反応ーー春香は思わず首を傾げた。