Love is blind〜無口で無愛想な作家は抑えられない独占愛を綴る〜
「春香さんならそう言うだろうと思っていました。軽く想定範囲内ですね」
「……ん? 想定範囲内?」
「また僕に迷惑がかかるからとか、思っていませんか?」
確かにそれも思っていたけど、今回は別のことが理由とは言えなかった。言い訳を考えながら黙り込んでしまうと、瑠維のため息が聞こえる。
「やっぱりそうなんですね」
「えっ、いや、あの、そうじゃないんだけど……」
その時だった。挙動不審になる春香を、瑠維は軽々と持ち上げてお姫様抱っこをしたのだ。春香は突然のことに驚き、慌てて瑠維の首に抱きついた。
「な、何してるの⁈」
しかし返事がないまま瑠維は寝室のドアを開けると、春香の体をベッドにそっと下ろす。
「春香さん、再会した日に『私に出来ることならなんでもする』って僕に言ったこと、ちゃんと覚えていますよね?」
混乱する頭をなんとか稼働させ、記憶を手繰り寄せていく。
「あぁ、思い出した! 車の中で言ったこと?」
「その通りです。その約束を今守ってもらいます」
あの約束をちゃんと覚えているなんてーー瑠維の記憶力に感心するとともに、彼の言おうとしていることがわからず戸惑った。
「春香さんはここで寝てください。それが僕からのお願いです」
「……なんでも聞くって約束したけど、でもこれはダメ。譲れない」
あまりにも頑なな様子の春香に対してため息をつくと、 瑠維は頭を掻きながら大きく息を吐く。それから春香のほうを見たが、春香も負けじと瑠維を見つめた。
「わかりました。僕はここで寝ます」
瑠維が諦めてくれたと思い、春香の表情がパッと明るくなる。
「本当? 良かった……」
「但し、春香さんもここで寝てください。それが約束です」
私もここで寝るーー? みるみるうちに顔が赤くなっていくのがわかる。
「えっ、そ、そんなことダメ!」
「じゃあ僕も寝ません」
「……そ、それなら出ていく。ホテルを探すから」
「どうぞ。それでも僕は寝室は使いませんから」
そんなことを言われては、春香に選択権はなかった。口を尖らせ、顔を背ける。
「……わかった。半分ずつね。私の寝相が悪くても文句言わないでよね」
「大丈夫です」
「なんかずるい。言いくるめられてる……」
「そんなことはないですよ。ほら、もうそろそろ寝ましょう」
瑠維は掛布団をめくると、春香を布団の中へと促した。言われるがまま春香はベッドに横になり、瑠維はそっと掛布団をかける。
「おやすみなさい。僕はお風呂に入ってきますので」
「……ちゃんとベッドで寝てね」
「わかりました」
「私が寝たからって、書斎で寝たりしないでよ……」
「もちろんです」
瑠維の手がそっと髪を撫でていく。
こんなはずじゃなかったのに、瑠維に流されて、一緒に寝ることになってしまった。
不本意ではあるが、瑠維の優しい手の感触と、彼の香りに包まれていると、穏やかな気持ちになってうとうとし始める。
「素直で可愛いところは昔から変わりませんね……」
眠りにつく直前に聞こえてきた声。まさかそれって私のこと……?
きっと疲れて聞き間違えたのよーー最後まで言い訳をこねながら、春香は眠りの世界に誘われた。
「……ん? 想定範囲内?」
「また僕に迷惑がかかるからとか、思っていませんか?」
確かにそれも思っていたけど、今回は別のことが理由とは言えなかった。言い訳を考えながら黙り込んでしまうと、瑠維のため息が聞こえる。
「やっぱりそうなんですね」
「えっ、いや、あの、そうじゃないんだけど……」
その時だった。挙動不審になる春香を、瑠維は軽々と持ち上げてお姫様抱っこをしたのだ。春香は突然のことに驚き、慌てて瑠維の首に抱きついた。
「な、何してるの⁈」
しかし返事がないまま瑠維は寝室のドアを開けると、春香の体をベッドにそっと下ろす。
「春香さん、再会した日に『私に出来ることならなんでもする』って僕に言ったこと、ちゃんと覚えていますよね?」
混乱する頭をなんとか稼働させ、記憶を手繰り寄せていく。
「あぁ、思い出した! 車の中で言ったこと?」
「その通りです。その約束を今守ってもらいます」
あの約束をちゃんと覚えているなんてーー瑠維の記憶力に感心するとともに、彼の言おうとしていることがわからず戸惑った。
「春香さんはここで寝てください。それが僕からのお願いです」
「……なんでも聞くって約束したけど、でもこれはダメ。譲れない」
あまりにも頑なな様子の春香に対してため息をつくと、 瑠維は頭を掻きながら大きく息を吐く。それから春香のほうを見たが、春香も負けじと瑠維を見つめた。
「わかりました。僕はここで寝ます」
瑠維が諦めてくれたと思い、春香の表情がパッと明るくなる。
「本当? 良かった……」
「但し、春香さんもここで寝てください。それが約束です」
私もここで寝るーー? みるみるうちに顔が赤くなっていくのがわかる。
「えっ、そ、そんなことダメ!」
「じゃあ僕も寝ません」
「……そ、それなら出ていく。ホテルを探すから」
「どうぞ。それでも僕は寝室は使いませんから」
そんなことを言われては、春香に選択権はなかった。口を尖らせ、顔を背ける。
「……わかった。半分ずつね。私の寝相が悪くても文句言わないでよね」
「大丈夫です」
「なんかずるい。言いくるめられてる……」
「そんなことはないですよ。ほら、もうそろそろ寝ましょう」
瑠維は掛布団をめくると、春香を布団の中へと促した。言われるがまま春香はベッドに横になり、瑠維はそっと掛布団をかける。
「おやすみなさい。僕はお風呂に入ってきますので」
「……ちゃんとベッドで寝てね」
「わかりました」
「私が寝たからって、書斎で寝たりしないでよ……」
「もちろんです」
瑠維の手がそっと髪を撫でていく。
こんなはずじゃなかったのに、瑠維に流されて、一緒に寝ることになってしまった。
不本意ではあるが、瑠維の優しい手の感触と、彼の香りに包まれていると、穏やかな気持ちになってうとうとし始める。
「素直で可愛いところは昔から変わりませんね……」
眠りにつく直前に聞こえてきた声。まさかそれって私のこと……?
きっと疲れて聞き間違えたのよーー最後まで言い訳をこねながら、春香は眠りの世界に誘われた。