Love is blind〜無口で無愛想な作家は抑えられない独占愛を綴る〜
* * * *
早番だった春香は、開店準備を済ませ、いつものように店をオープンさせた。平日ということもあり、午前中は忙し過ぎることもなく穏やかに過ぎていく。
昼休憩の時間になり、同僚に店を任せて更衣室に行くと、思っていた通り午後から出勤予定だった店長に会うことが出来た。
「店長、おはようございます」
「あぁ、佐倉さん! あれから大丈夫だった?」
春香の顔を見るなり、瞳は心配そうに駆け寄ってくる。
「あの……そのことでお話したいことがあるんですがーー」
そう切り出すと、春香は一昨日の夜の出来事や、警察に行って相談したことを、なるべく簡潔に話した。
するとみるみるうちに瞳の顔が青ざめていくのがわかる。
「ちょ、ちょっと! そんなことがあったのなら早く連絡してちょうだい!」
「直接お話した方が良い気がしていて……すみません」
「ううん、そりゃそうよね。佐倉さんだってそれどころじゃなかったわよね! 私こそごめんなさい」
春香は首を横に振る。瞳のその優しさがとても嬉しかった。
「ところで今もその部屋に住んでるのよね? 大丈夫? 辛くない? 早く家探しがしたいなら休んでも大丈夫よ」
「あっ、いえ、友だちの家に泊まらせてもらっているので大丈夫です」
慌ててそう言ったが、瞳には事実がお見通しだったようで、目を細めながら春香をじっと見つめる。
「……まさかだけど、後輩くん?」
「えっ⁈」
「あぁ、やっぱりそうなのね。いや、そうなる気はしていたんだけど」
「そ、そうなる気とは……」
戸惑いを隠せない春香の頬を、瞳は、ニヤニヤしながら指差したのだ。
「そんな大変なことがあった後なのに、やけにお肌はツヤツヤだし、血色がいいのよねぇ」
驚いて両手で頬を押さえた仕草が、瞳への決定打となってしまう。
「そっか、そうなのねぇ。大変だったけど、いいこともあったみたいで良かったわ」
確かにこのストーカーの件がなければ、瑠維とここまで短期間で付き合うことはなかっただろう。そう考えると、偶然や奇跡の大きさに感謝しかなかった。
早番だった春香は、開店準備を済ませ、いつものように店をオープンさせた。平日ということもあり、午前中は忙し過ぎることもなく穏やかに過ぎていく。
昼休憩の時間になり、同僚に店を任せて更衣室に行くと、思っていた通り午後から出勤予定だった店長に会うことが出来た。
「店長、おはようございます」
「あぁ、佐倉さん! あれから大丈夫だった?」
春香の顔を見るなり、瞳は心配そうに駆け寄ってくる。
「あの……そのことでお話したいことがあるんですがーー」
そう切り出すと、春香は一昨日の夜の出来事や、警察に行って相談したことを、なるべく簡潔に話した。
するとみるみるうちに瞳の顔が青ざめていくのがわかる。
「ちょ、ちょっと! そんなことがあったのなら早く連絡してちょうだい!」
「直接お話した方が良い気がしていて……すみません」
「ううん、そりゃそうよね。佐倉さんだってそれどころじゃなかったわよね! 私こそごめんなさい」
春香は首を横に振る。瞳のその優しさがとても嬉しかった。
「ところで今もその部屋に住んでるのよね? 大丈夫? 辛くない? 早く家探しがしたいなら休んでも大丈夫よ」
「あっ、いえ、友だちの家に泊まらせてもらっているので大丈夫です」
慌ててそう言ったが、瞳には事実がお見通しだったようで、目を細めながら春香をじっと見つめる。
「……まさかだけど、後輩くん?」
「えっ⁈」
「あぁ、やっぱりそうなのね。いや、そうなる気はしていたんだけど」
「そ、そうなる気とは……」
戸惑いを隠せない春香の頬を、瞳は、ニヤニヤしながら指差したのだ。
「そんな大変なことがあった後なのに、やけにお肌はツヤツヤだし、血色がいいのよねぇ」
驚いて両手で頬を押さえた仕草が、瞳への決定打となってしまう。
「そっか、そうなのねぇ。大変だったけど、いいこともあったみたいで良かったわ」
確かにこのストーカーの件がなければ、瑠維とここまで短期間で付き合うことはなかっただろう。そう考えると、偶然や奇跡の大きさに感謝しかなかった。