Snow magic
「柚燈は何してた?……写真は…、続けて……ない…?」
……無理だとしても、あれだけ大好きだった写真を諦めたのか、気になった。
「うん、続けてはない。でも、まだ手放せずに持ち続けてる。今だってバックに入ってるよ。」
と背中に背負っていた小さめの黒いリュックを指さした。
確かにそのリュックの一部がボコッと、もり上がっているのがわかった。
多分そこに入ってるんだろうな…。
「………っ。」
あれだけ夢を叶えようと頑張っていたカメラさえ諦めなければならない状態に追い込まれていた柚燈を見て、キリキリと胸が痛い。
「まぁ、今は全然楽しくやってるからだいじょーぶだけどね。」
そういった柚燈は話を続けた。
まるで私の心を読んだように。
「それでも誰かの心を打つ仕事がしたくて今は、人の音楽の作詞と作曲を手掛けてる。売れてるわけでもないけどね。」
「え…?!作詞…、作曲……?めっちゃすごいじゃん…!」
想像の斜め上を行く回答に感動混じりにとても驚いて、大きな声を上げてしまった。
やっぱりさすが昔からなんでも平均以上こなす器用な柚燈だ。
ほんっとうに昔から柚燈はすごいと思う。
「別にそんなすごいことでもないよ。」
なんて謙遜しながらそれでも、褒められた柚燈は少し照れくさそうにしていた。