Snow magic
そんなことを考え、思いにふけっているうちに待ち合わせ場所の最寄り駅までついてしまった。
無人駅に近いこの場所でたった一人私は電車から降りた。
降りた直後、冷たい風を残して電車は過ぎ去っていった。
私はそれを一瞥し、改札を出て、出口に向かった。
「んー……早く着き過ぎちゃったな。」
駅を出たすぐの広場で時計を見て呟いた。
待ち合わせまで、45分ぐらいある。
どこかで時間でも潰すかぁ……でもこの辺あんまり店はないしな……。
ザーーッザーーッ
「ん?」
どうやって時間を潰そうかと考えて、スマホとにらめっこしていると、ふと濁った大きな音が耳に入ってきた。
「あ……あぁ、そっか海あるのか。」
小さな呟きだったはずだが、空気が澄んでいて周りには誰もいないせいか思ったより声が響いた。
都市部にしては人の少ないここ、星瀬浜駅にはそのまんま目の前に星瀬浜がある。
星瀬浜は、透き通るような海と太陽に照らされガラスのようにキラリと光る砂が有名だ。
私は、夜の月明かりに照らされる海と砂浜の輝きを見るのが好きだけれど。
と、まぁそれは置いといて。
とにかく環境問題で汚くなっている日本の海の中では珍しく、きれいな海で、意外と夏の観光客は多かったりする。
まぁ、冬の今は誰もいないんだろうけど。
「いっか。時間あるし久しぶりに星瀬浜行くか。」
私はもう1度呟いて海へ向かおうと、急な下り坂へ足を進めた。