Snow magic
「う、うん……。私だよ、椛。あなたは本当に……柚燈、なんだよね?」
久しぶり……どうしていなくなったの?
そう聞きたいのに、それを阻むようにドクドクと、速い心音が耳にまでひどく聞こえる。
まるでそれは、何か危険信号を送るみたいな……胸騒ぎかなにかで……。
「すみません、人間違いでした。……俺はそんな名前でもないし、もみじさんなんて知り合いいない。」
私の答えを聞いた瞬間、ひどく冷え切った声で呟き、バッと後ろを向いて足早に動き出した柚燈。
多分、私から逃げようとしたんだと思う。
私はピンときた瞬間、考えるよりも先に彼を追いかけた。
今度こそ逃さない。
絶対にいきなり消えた理由だけは教えてもらう。
こっちがどれだけ心配したか考えてほしい。
「柚燈…っ!!ねぇ…、柚燈なんでしょ……っ?なんで逃げるの…?」
何があっても今回だけは柚燈を離さない。
これだけ忘れられず、待ち続けた彼を見つけたんだから。
やっとやっと。
私は逃げた柚燈を捕まえた。
「……ねぇ、柚燈なんでしょう?……何で、逃 げるの?」
私は柚燈の腕を後ろから掴んで、はっきり問いかけた。
同時に、2つの違和感を感じ、再び鼓動が速くなる。