Snow magic
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「………。そーだね。これは視覚障害者が使う白杖。」


諦めたようにはぁ…とため息をついたあと、さっきすっとぼけたことも忘れたかのように普通に話し始めた。

まるで昨日も普通に会っていたかのように冷静な声色だった。





「本当にあなたは、七瀬柚燈、なんだよね……?」




冬の海が大きな波を立て冷たい風が責め立てるように吹く中、私の声だけがあたりに響く。




あれだけ柚燈なんでしょ?なんて、堂々と引き止めておいて今頃心配して確認する自分は本当にバカだと思う。


それでもこんな姿の柚燈を信じたくないのも、動揺を何一つしてない姿を見たのもあったせいでわからなくなってしまったのだ。







「そーだよ。俺は七瀬柚燈。1998年12月18日生まれの25歳。地元は伊炉里島で、3人の幼馴染、風乃椛と京咲光杞と本那桜也がいた。……これで俺だってて分かる?」




これで、視覚障害を持っている彼が柚燈だって、私が大好きで探し続けていた七瀬柚燈だって証明された。




混乱した頭で柚燈を見上げるが、私の方を向かずに逃げ出した進行方向を向いたままに話し始めたから、柚燈が何を考えているか全くわからない。

彼がどんな気持ちで出ていってここにいるのかもわからない。
 



そして、何からどう聞いていいかわからない。





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