Snow magic
「あっ、おはよ!椛。」
リビングの白い引き戸を開けると、私に気づい
た光杞が笑顔で声をかけてきた。
光杞はリビングのソファに座り、パソコンを叩いている途中だった。
「おはよう、光杞。……桜也もおはよ。」
キッチンで朝ご飯を作っているであろう桜也にも声をかけた。
彼女たち2人の名前は、京咲光杞と本那桜也。
地元の家が近所だった幼馴染だ。
私の地元は今住んでいる都心から遠く離れた小さな島であるため、同い年の私たちは生まれたときからずっと一緒に過ごしてきた。
そして地元の高校卒業後、上京して当時お金
も少なかったため私たちはルームシェアをすることにした。
それから数年、大学卒業して自分でお金を稼げるようになった今でも私たちは離れることなくルームシェアしているのだ。
「おはよう、今日は遅かったな。」
「えっ……?」
キッチンから顔を出した桜也に言われて今、初めてそんなことを考えた。
え…遅いっけ……?感覚的にいつも通りな気がするけどなぁ……。
確かに今日は逃げるように降りてきたから時計なんて見なかったし、スマホさえ部屋に置きっぱなしにしてきてしまったので全く知らないのは確かだが。
そんなことを桜也に言われて壁にかかるベージュ色のアナログ時計を見た。
「わっ、やば。」
桜也の言うことは本当だった。
今、時計は短い針が9近くある。
つまりもう9時少し前ということだ。
いつも、遅くても7時半とかに起きているため、こんな遅くまで寝てたのなんて数年ぶりかもしれない。