Snow magic
『ありがとう。今から、そっち戻るから6時すぎには着くと思う。』
そう送ると、送った瞬間LINEを見ていたかのよ うな速さで既読が付き返事が返ってきた。
『おけ、桜也と待ってるね。』
……あぁ、そうか。今日は桜也も仕事休みだったんだっけ。
と、どうでもいいことを思い出した。
桜也は、親が経営する島の唯一の店を継がず、どこかのIT企業に就職したため結構普通に休みが取れるらしい。
ちなみに島のお店は、9つ年上の彼のお姉さん、桜花(はるか)さんが継いでいて、引き継ぎ祝いにみんなで一緒に帰省を覚えている。
……そのときは、確かまだ柚燈も隣にいた気がする。
そうだ、思い出した。
4人で、桜花さんが振る舞った料理を食べて久しぶりにたくさん話したんだった。
隣では柚燈がこれはなんの調味料を使ってるとかツッコミをいれてたり、桜也は桜花さんと言い合いしたりとにかく賑やかなお祝いをした記憶がある。
……ほんっと、懐かしいなぁ。
そのすぐ後ぐらいだったかに柚燈がいなくなって、忘れるために仕事に没頭していたから、桜花さんのお祝い以来地元に帰っていない気もする。
それにもし……あの時すでに柚燈の目が見なくなり始めていたとしたら……?
そう思うと、心が涙を流すように傷んだ。
『次は、河木都(こうきと)__次は河木都。』
どうやら思い出にふけっていたら、次はもう目的の駅らしい。
フッと笑ってから立ち上がった。
……でも、その笑いは何からくる笑いなのか全く読めなかった。
ただの純粋な笑いなのか、嘲笑なのか。
それとも………
悲しみを隠すだけの仮面なのか___