Snow magic




「……っ。違う…違うの!椛…っ。ユズは___」



「……はぁ。光杞、落ち着け。深呼吸しろ。」


「……っ。…う、うん。」


ため息を付いたあと、焦っている光杞を遮るように桜也が話し始めた。





「椛。柚燈の今を知ってるってことは……柚燈に会ったのか?」


冷静な桜也がスラスラ話を始めるから、凍りついて止まった時間がやっと動き出した気がする。




「……。うん、会ったよ。今日、打ち合わせで星瀬浜のとこに行ったら、いたの。そしたら柚燈が杖を使ってて……。」 


でも、これ以上は怖くて言葉を続けられなかった。



「……っ!!う、そ…そんなこと……」


静かに隣で光杞が呟いた。


多分今、…そんなことありえないって、思っているんだろうな。




「……そういうことか。…、で?柚燈は何て言ってた?」



桜也は何一つ動揺した様子も見せず、私の方を見据えてくる。




「……。今度、全部話すって言ってたよ。」 


「…今度っていつ?」



「分からないけど…、ただ連絡先だけ渡されたんだ。……帰ったら登録し直して連絡するつもりだよ。」



ポーカーフェイスが得意な桜也の表情からはなにも読み取れない。

何を考えているかわかりっこない。




「そ。なら、俺たちから聞くより柚燈から聞いたら?……あいつの、本当の気持ちを聞いたほうがいーと思うけど。」


とはっきりと言って、スマホを取り出し始めた。




……どうやら、話はもうないらしい。 





ちらっと隣を見ると光杞も何かを誤魔化すように目をこちらから逸らして頼んでいた飲み物を飲んでいた。

 




……はぁ。

ねぇ、柚燈。もうなんにも、分からないよ。




柚燈に再会したこと

光杞と桜也の反応

柚燈がいなくなった理由




私は何も考えたくなかった___


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