Snow magic
「だーかーら、奪うけどいーのっつってんの!」
そう言ったら、再度怒鳴られた。
うるさ……。
「……それは、いやだけど。」
……はぁ、じゃあ俺はどーしたらいいんだよ。
ハルの言いたいことが何一つわかんない。
「本人に聞いたのかよ?嫌だって。もう好きじゃないって言われたのかよ?」
「いや……。」
でも……そんなの聞かなくても明らか___
「なんなら、勘違いだと思って自分の気持ちぶつけろよ!何もしないで自己完結すんじゃねーよ!ばっかじゃねぇのお前が1番椛と一緒にいて椛のこと知ってんだろーが!」
あいつが他人想いで、人の迷惑にならないようにって動くこと、お前が何より分かってんだろ___?
「……っ!」
怒ってるのか超毒舌で、口調が荒い。
でも……やっと決心がついた。
確かに椛のことだから、俺のためにって何もかも本音を隠したってこともあるはずだ。
椛のことは俺が誰より分かっている__いや、分かりたい。
……全部、ハルのおかげだな。
「わかったよ。……伝える。椛がもう俺のこと好きじゃなくても、最後にもう一度だけ気持ち伝える。」
俺ははっきりと言葉にした。
意志を表明するように。
「それでいい。……ったく、世話の焼ける奴め。」
やれやれと言うように大きくため息を付く音が聞こえた。
「うるさいし、あと残念ながら、頼んでないんだけどね。」
と最後は皮肉っぽい会話を続けていたが、俺は自然と笑顔になっていた。
…多分、ハルも笑っていると思う。
「……ありがとな、ハル。」
「いーえ、どーいたしまして。幼馴染さん?」
俺らは最後に吹き出して、大声で笑った。
お店全体に響くような大きな声でケラケラと笑い続けた。
まるで無邪気な子供のように。
目が見えなくなってから、こんな楽しくて、スッキリしたのは初めてかもしれない。