極上ドクターは再会したママとベビーを深い愛で包み込む
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 篠宮先生と話せる機会がないまま、二週間以上経った。あの日は連絡先を交換するのも忘れていたため、今後の話し合いも進んでいない。日が経つにつれて、あれはやっぱり夢だったんじゃないかなと不安になったりもする。
 今日は茉由ちゃんにとって特別な日。朝の沐浴で、茉由ちゃんの全身をいつもよりも丁寧に洗う。そして、あらかじめ親御さんから預かっていた洋服に着替えさせた。
「うわーかわいい!」
「お姫様みたいですね」
 レースのついたセレモニードレスと、ひらひらした白い帽子。味気ないシンプルな入院着から一転、女の子らしく、本当にお姫様のようだ。
「茉由ちゃんの泣き声が聞けなくなると思うとちょっと寂しいね」
「そうですねえ」
 先輩看護師と共に、しみじみと茉由ちゃんを見つめた。
 退院できることになったとは言え、まだ小ぶりな茉由ちゃん。袖が長くて手が出てこないため違和感があるらしく、不快そうに手をバタバタ振っているけれど、その姿もまた愛らしい。
 今日が日勤でよかった。私は茉由ちゃんの担当になる日が多かったから、退院を見届けられるのは嬉しい。
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