極上ドクターは再会したママとベビーを深い愛で包み込む
「それで……妊娠中なのか?」

 康太くんが言いづらそうに視線を私の右手に落とす。
 さっきもらったエコー写真だ。

「……うん、そうなの」

 そっか、と康太くんは言い、それからまた言いづらそうに口にする。

「苗字が小鳥遊のままなんだな」

 ギクリと肩が跳ねる。

「に、入籍はこれからなんだ」

 声が裏返ってしまって、笑顔が引き攣ったのが自分でもわかった。
 これは嘘がバレてしまったかもしれない。
 現に、私を見る康太くんは深刻そうな顔をしている。
 彼はポケットからごそごそと何かを取り出す。
 それは康太くんの名刺だった。

「俺、この病院の小児科で働いてるんだ。何か困ったことがあったら連絡してほしい」
「そんな、困ったことだなんて……」
「ないならいいんだ。でも、持ってて」

 康太くんは私に名刺を渡し、手を振って病院へと戻って行った。
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