極上ドクターは再会したママとベビーを深い愛で包み込む
拓海さんは本当に、私や拓斗のことを気にかけてくれている。それは同情ではなく、愛情からくるものだと伝わってくる。私は信じてもいいだろうか。拓海さんの言葉を。拓斗は拓海さんに対して友達感覚のようではあるけれど、それはこれから変わっていくんだろうか。そこも重要だ。
「できた!」
しばらくして拓斗の元気な声がして、「どれどれ?」と砂場へ行ってみる。いつもはよくわからない芸術品が出来上がるのだけれど、今日は拓海さんが手伝ってくれたから、傍目にもちゃんとお城だとわかるものができた。
「頑張ったねえ。拓海さんも、お疲れさまでした」
「いや、こういうのはつい童心に返って夢中になってしまうな」
私が拓斗の砂を払っていると、拓海さんが「そうだ」と口にする。
「週末、休みが取れそうなんだ。みんなでどこか行かないか」
「いくー!」
遠慮を知らない拓斗はぴょんぴょん跳ねて嬉しそうにしている。
「菜乃花は?」
「私はいいですけど、拓海さんは疲れないですか?たまの休みなのに」
「俺は平気だ」
拓海さんは屈んで拓斗に言う。
「週末、迎えに来るよ。待っててくれ」
「うん!」
拓斗は屈託なく笑った。

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