極上ドクターは再会したママとベビーを深い愛で包み込む
「拓海さん……」
 気が緩んで涙が滲んだ。
「手を離せ!」
 拓海さんが来たことで康太くんは我に帰ったようで、私の腕を離し、弱気な声を出す。
「ごめん、俺……そんなつもりじゃ」
「そんなつもりじゃないならなんだというんだ。菜乃花がケガでもしたら承知しないぞ!」
 拓海さんの剣幕に、康太くんは罰が悪そうに視線を落とした。
「ごめん、菜乃花」
「ううん、こっちこそ。あの、私……」
 拓海さんの腕にそっと触れる。
「私はこのひとが好きなんです。過去のことはどうでもいい。ずっと、このひとのことが大好きなんです」
 康太くんが目を見開く。多分、隣の拓海さんも似たような表情をしているだろう。
 けれど、素直に出てきた言葉に、一番驚いたのは私かもしれない。
「そうか」
 康太くんは視線を落とし、それから顔を上げて複雑そうに小さく微笑んだ。
「菜乃花と拓斗くんが幸せなら、それでいい」
 「じゃあな」と康太くんは背を向けて帰って行った。
 それを見送ってから、拓海さんは口を開く。
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