極上ドクターは再会したママとベビーを深い愛で包み込む
「菜乃花、さっきの……」
「私の本当の気持ちです」
 満面の笑みで答えると、拓海さんは表情を緩め、私を抱きしめた。
「ち、ちょっと拓海さん。公園ですよ?」
「この前もここで抱きしめただろう。問題ない」
 何が問題ないのかさっぱりわからない。身体を離した拓海さんがじっと私を見つめる。
「愛してる、菜乃花」
「私もです、拓海さん」
 もう一度、ぎゅっと抱きしめ合う。なんだか私も、何も問題ない気がしてきた。完全に盲目状態だ。
「ところであいつは誰なんだ?」
「同じ病院の先生です」
「じゃあ今後もまた顔を合わせるということだな?菜乃花呼ばわりしていたし、なんなんだあの男は」
 拓海さんが目つきを鋭くし、怖い顔をする。これは、私のトラウマの原因が康太くんだったと知られたら、康太くんはボコボコにされかねないな。
「大丈夫ですよ。言ったでしょう?私が好きなのは、拓海さんです」
「……それならまあ、よしとしようか」
 あまり納得行かなそうだけれど、とりあえず事はおさまった。
「拓斗を迎えにいかなきゃ」
「そうだな」
 ふたり手を繋ぎ、病院へと戻った。

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