極上ドクターは再会したママとベビーを深い愛で包み込む
 拓斗は約束した日から『いつおでかけ?』『たくみくんとあそべる?』と毎日のように口にしていて、今日という日を心待ちにしていた。
 だから、チャイルドシートよりもとにかく早く遊びに行くことしか頭にないようだ。
 車に乗ると、拓海さんのチャイルドシートをつけるのは手慣れたもの。

「上手ですね」
「買った時に店で練習したからな」

 拓海さんがお店でチャイルドシートをつける練習だなんて、と想像すると微笑ましい気持ちになる。
 拓斗は窮屈で嫌がるかと思いきや、いい子にシートに乗ってくれて、私は拓斗の隣に座った。

「今日はどちらに?」
「遊具がたくさんある広い公園にと思ってるんだが、拓斗くん、どうかな?」
「こうえんいきたい!」

 じゃあ決まりだな、と、拓海さんは車を走らせる。
大きな道に出て、高速道路に乗る。
 どうやら少し遠いところのようだ。

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