極上ドクターは再会したママとベビーを深い愛で包み込む
「それでねえ、でんしゃがガチャンってくっつくんだよ」
「そうか。それはすごいな」

 ルームミラー越しに大袈裟に驚いてみせる拓海さんに、拓斗は得意げな顔。
 電車が好きな拓斗は、今日も電車の模型をふたつ持参している。
 山手線……と、もうひとつのはなんだっけ。
 飽きるほど聞かされているのに、名前が出てこない。

「あとはねえ、あかいでんしゃもあるの。おうちにいっぱいでんしゃあるんだよ」
「赤いのもあるのか?すごいな」
「それでねえーー」

 拓海さんが褒めてくれるから拓斗は上機嫌。
 拓斗のオンステージを聞きながら三十分ほど車に揺られたところで、高速道路を降りた。
 すぐにいくつかの遊具が見えてきた。
 どうやらこれがお目当ての公園らしい。
 チケットの改札を抜けると、色とりどりの花々と遊具に迎えられる。

「うわあすごーい」
「すごいね。遊ぶのたくさんあるね」

 拓斗は感動しきりのようで、辺りを見渡してうっとりしている。
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