極上ドクターは再会したママとベビーを深い愛で包み込む
「ありがとうございます、拓海さん。拓海さん来てくれなかったらどうなっていたか……」
「全くだ。だが、無事でよかった」

 拓海さんが優しい顔で私を見下ろし、髪をそっと撫でる。

「菜乃花に何かあったら耐えられないからな」

 胸がきゅんと音を鳴らす。

「どうする?眠いならもう少し寝てていいぞ」
「はい。じゃあもうちょっとだけ……」

 熱のせいだろうか。
 なんだか人恋しいというか……拓海さんに、そばにいてほしい。

「……あの、眠るまで、手を握っていてくれませんか」

 拓海さんは目を見開き、それからふっと笑った。

「いいよ」

 握られた手が温かくなる。

「ぼくもー!」

 飛んできた拓斗が、反対側の手を握る。
 ふわふわと心地のいい温もりを両手に感じる中、目を閉じた。

 翌朝、鳥のさえずりで目が覚めた。気づけば隣で拓斗が寝ていて、反対隣では、私の手を握ったまま、ベッドの端で片腕を枕にして寝ている拓海さんの姿があった。

「ずっと、握っててくれたんだ……」

 胸の中に甘い気持ちが広がる。
 込み上げてくる愛しい気持ちを、私はもう自覚している。
 やっぱり私の心の中にいるひとは、ずっと変わらず拓海さんだけなんだ。

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