極上ドクターは再会したママとベビーを深い愛で包み込む
 数日が経ち、今度は東京駅に遊びに行くことになった。
 先日、砂場で拓海さんと拓斗が約束をしたのだ。

『今度の休みはどこに行きたい?』
『んーと、しんかんせんみたい!』
『じゃあそうしよう。約束な』
『やくそく!』

 拓海さんが車で自宅アパートまで迎えにきてくれて、一緒に東京駅へと向かう。

「今日は新幹線のおもちゃ持ってきたのか?」

 ルームミラー越しに、拓海さんが拓斗に尋ねる。

「そう。はやぶさと、のぞみ」
「そうか。たくさん持っててすごいな。この前は山手線と京浜東北線だったよな」

 なるほど、京浜東北線だったのか、と思いつく。
 この前は結局思い出せなかったのだ。
 車体を見るだけでわかるなんて、拓海さんも男の子なんだな、と微笑ましくなる。

「新幹線、間近で見たことないから楽しみだね」
「うん!」

 拓斗はいつにも増して楽しそうだ。
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