極上ドクターは再会したママとベビーを深い愛で包み込む
 マンションを出ると、何本も路線が乗り入れている駅が徒歩5分ほどのところにあった。篠宮先生は車通勤のようだけれど、私にはこの距離はありがたい。おかげでスムーズに自宅まで帰ることができた。
 まだ食事をとれるほど胃の調子はよくなくて、まずはシャワーをすることにした。酒と煙草の匂いを漂わせたまま先生のベッドを借りていたのだと今さら気づいて、申し訳なさがまた上乗せされる。
「はあ……」
 シャワーを浴びながら、無意識にため息が漏れる。体調が万全ではないのと、篠宮先生の件とで、胃も胸もモヤモヤして仕方ない。その上身体を洗っていると、鏡には嫌でも『それ』が映る。毎日のことだけれど、今日は特に憂鬱だ。
 髪を乾かし、胃の不快感は少しすっきりした。
 私は今日休日で、明日は夜勤だ。実質二連休のようなもの。何日も人様の家のカードキーを持っているのは気が引けるし、私の秘密を知られてしまったのかどうかも気になるため、居ても立っても居られず、夕方病院へと向かった。

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