極上ドクターは再会したママとベビーを深い愛で包み込む
 長い情事が終わり、まだ汗ばんでいる肌に身体を預けていると、拓海さんが言った。

「今度、両親のところについてきてほしい」
 
 いつかはそうしなければならないと覚悟していた。
 結婚するためには……三人で一緒に暮らすためには、どうしても院長夫妻を説得しなければならないと。
 けれど……私のことを、拓海さんには相応しくないと言った院長の顔が頭をよぎり、不安になる。

「菜乃花」

 顔を上げると、拓海さんが穏やかに微笑んだ。

「大丈夫。絶対に守るから」
「……はい」

 頭を撫でてくれる拓海さんに、不安が溶けていくのを感じながら、目を閉じた。


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