覚えたくない恋はいらない
「…あ、姉ちゃん」



ちょうど玄関で靴紐を結んでいたのは弟の陽希(はるき)だった。



頬には真新しい鮮血で縁取られた打撲跡。



眉が歪んだのと同時に陽希の手が私を撫でた。



声に出してなくてもわかってしまうのが苦しい。



無言でスクールバッグから絆創膏を渡すと、陽希はさんきゅ、と受け取った。


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