私はお守りじゃありません! ~現代の大奥で婚約バトル!? 呪われた御曹司が「君は俺のお守りだ」と甘えてきます~
 コスモは苦笑して、ピアスをつけかえた。
「似合うか?」
「似合う! 素敵!」
 一鈴がはしゃぐと、コスモはまた苦笑した。
「あなたも開けなさいよ」
 莉衣沙はにやにやしていた。
「はい」
 一鈴はパッケージを開けた。
 出て来たのはどう見ても猫の首輪だった。鈴が一つ、ついている。

「これですか?」
「間違えたわ。それはうちの猫の」
 莉衣沙は外商を手招きし、包みを受け取った。一鈴に渡し直し、首輪を回収する。
「わざとですよねえ」
 一鈴が袋をあけると、「はずれ」と書かれた紙が入っていた。
「なんだ、はずれかあ、残念。——ってなんですか、これ!」
 莉衣沙が笑い、コスモはあっけにとられた。

「今度あなたもビフォーアフターやってあげる」
 莉衣沙が笑いながら一鈴に言う。
「私はいいです。贅沢に慣れるのは良くないですから」
「あいつと結婚していくらでも贅沢できる人が?」
 一鈴は顔をひきつらせた。
「ケンカでもしたの?」
「なにもないです」
「昨日はデートしたってメイドが噂してたぞ」
 コスモの言葉に莉衣沙がにやにやする。

 どうしよう。
 一鈴は困って自分の手を見る。はずれ、と書かれた紙が目に入り、がっくりとうなだれる。
「マリッジブルーってやつ?」
「やめてやれよ。困ってるだろ」
 コスモが苦笑して止めた。
「あ、みんなありがとう。もういいわ」
 莉衣沙が言うと、外商が片づけを始めた。
「今日の費用はあとでこちらが払う」
「いいわよ、私がやりたくてやったの」
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