家出少女の反抗

「優……じゃないね?誰?」


言葉の端々から感じ取れる、若くて世界中の男を独り占めする様な、愛らしい声の持ち主は私と同い年の、女の子だろう。



「えっと……その……今日は……、優さん(?)に助けられた霞です」




「えっ!!優、女の子助けるタイプなの!?まじでっ!!めっちゃいい男じゃーん!!アタシの目にやっぱり狂いはないね!!惚れるー!!」



キャッキャと騒いで、嘸かし心の内から喜びに浸っているのだろうと感じると、この優って人の彼女さんなのだろうか?



でも、「仲間」っていってたし、もしかすると私と同じ「トー横キッズ」って事も否めない。



っていうか、このお兄さんの名前「優」っていうんだ。



もっとキラキラネームなんてつける親に育てられた人なのかと思った。



「んーと、霞ちゃんは助けられたっていうことは、家に来るの?」



「えっと……家って?」




「やだなー。優の家に決まってんじゃん。うちのホスト様「優」はこう見えて家出少女とか、トー横達を庇って住まわせてくれる紳士様なんだよ?」



完全にこの優という人を、信じきっているこの女の子ーーー大丈夫なの?

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