家出少女の反抗
「え?いや……いいよべつに。というか、お前、霞の友達か?」
「私は、霞の同居人って言えばいいのかな……?優に拾われたって感じで、家庭環境最悪少女でーす!!」
微笑ましいほどの愛らしいそのウインクは、普通の男なら一発で落ちていただろう。
でも怜音先生はそうはいかない。
「お前も、相当な馬鹿野郎だな」
容赦なく愛にもデコピン。
まぁ、本気じゃないとは思うけれど。
「いったい!!初対面なのに、酷い!!霞!!なんなの!!この悪逆非道の先生は!!」
「……私もわかんないんだよね。何だか正体が……。やたらと勝手に手を焼いてくるし……」
「霞は、他の女子より深く溜め込むタイプだから心配なだけだ。まぁ、性格の性って奴よ」
肩を竦め笑ったあと、タバコを手にして吸い始める怜音先生。
「えっと……此処で吸うの?」
愛が口元を覆って、怜音先生に怪訝な顔をする。
「窓は開ける。いいだろ?俺の車なんだから!!休憩したら、お前らの事よく見てくれる男を紹介するからそれまで辛抱してくれ!!」
「えーっ!!ピザマンが不味くなっちゃう………!!」
ショックを受けた愛がそう嘆く。
「先生……ちょっとそれ酷くない?しかもタバコって煙が癌の元になるって聞いたことあるよ?」
補足を私が入れたら、怜音先生に乾いた笑みを向けられた。
まぁ、問題を起こしてしまった張本人達でもあるからこんな文句野次であるのは受け入れなければならないけれど。