三途の駅のおくりもの
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気がつくと、俺が見たのは病院の白い天井だった。なんだか身体中が痛いし、点滴かなにかの管が繋がっている。路面の凍結でスリップした自動車が直撃したらしい。いつも冷静な父親が俺の顔を見た瞬間に泣き出したからこっちが焦る。聞けば、俺は生死をさまよっていたらしい。それが突然目を覚まし、それからはみるみるうちに回復した。高齢の医者に、奇跡のようだと褒められた。
それでも結局、事故から一ヶ月ほど経ってからの退院だった。長く感じたが、怪我の程度から考えると充分早い退院らしい。
特に後遺症もなく、また日常が訪れた。ただ、何度あの場所を訪れても、舞依には会うことはできなかった。
ある日思い立ったのは、学校で舞依を探せばいいということだった。同級生じゃないのは確かだ。一年生に声をかけてみるが、舞依という子は知らないと言われた。そうなると次は三年生。多少緊張しながらも、優しそうな人を選んで聞いてみる。すると、思いがけない返事をもらえた。
「舞依ちゃんならいるよ。同じクラス」
「それじゃあ、伝えてもらえませんか? 俺――智紀が呼んでるって」
「あぁ……それは、ごめんね。連絡先知らないの」
「今日、学校来てないんですか?」
「うーん、今日っていうか……ほとんど来てないかな。もうずっと」