KISSでチェンジ!
乱れた服装のままで路地かあら出てきた男の目は血走り、周囲が見えていない。
 ズボンは半分ほどおろされた状態で、ブルーのストライプのパンツが見えている。

「なんだあいつ」
 良明がギョッと目を見開いて言う。

「あいつ、俺を襲おうとしたやつだ!」
 簡潔に説明をした瞬間、良明の目の色が変わった。

「純を襲おうとした?」
 いつもクールな良明のこめかみがピクピクと痙攣し、血管が浮き出ている。

 その変化に純は一瞬たじろぎ、駆け出した良明の後を慌てておいかけた。
「俺の純に、なにすんだ!」

 叫びながらジャンプしてドロップキックをお見舞いする。
 不意をつかれたスーツの男は目を見開いたままそれを顔面で受け止めた。

「すご……」
 自分も一発相手を殴ってやろうと思っていた純だったが、その光景に棒立ちになってしまったのだった。
< 118 / 277 >

この作品をシェア

pagetop