KISSでチェンジ!
 男が後ろから追いかけてくる。
足音と怒号が純の体をひるませる。

 だめだ。ここで立ち止まったら、終わる……!
 必死に足を前へ出して路地から抜け出した、その時だった。

「純!」
 聞き慣れた声が右手から聞こえてきて純は足を止めた。

「なんで……良明がここに?」
 目を見開いて質問している間にスーツの男は迫ってきている。

 聞く時間も、説明する時間もない!
 純は良明にかけより、背伸びをしてキスをした。

少し湿っていて、柔らかくて、温かい。
いつもの感触に少しだけ胸をなでおろす。

「くっそ、どこ行った!?」
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