KISSでチェンジ!
トキメキ
女としてモデルをするという人生はじめての経験をした翌日。
 自分の家に戻ってきた純はトーストを頬張りながら芸能ニュースを見ていた。

『モデルの友美さんが芸能界を引退することを発表しました』
 男性ニュ^スキャスターがそう告げた後、場面は切り替わって友美の会見の様子が流れ始めた。

 世間では友美の身勝手でモデルの仕事ができなくなったという報道が多い。
 でも、実際はどうなんだろう?

 昨日ドアの隙間から見た友美はそれほど自由奔放に生きているようには見えなかった。
もし本当に好き勝手しているのなら、わざわざ撮影の様子を見に来ることだってなかったんじゃないか?

 そんな気がしていた。
「友美は元々モデルなんて興味がなかったんだ」

 学校へ向かう途中、途中で良明に追いついた純はふたりで肩を並べて歩いていた。

 朝はそれぞれ時間がかかって忙しいから、こうして偶然どっちかがどっちかに追いついたときだけ一緒に登校するようにしていた。
< 120 / 277 >

この作品をシェア

pagetop