KISSでチェンジ!
☆☆☆

 自分のクラスに転校生として紹介されるのは奇妙な感覚だった。
 見知った顔が純のことを珍しげに見つめている。

 一瞬田中を視線がぶつかると、田中は頬を赤く染めていたけれどどういうことだろう?
「席は河合くんの隣な」

 先生に言われて良明へ視線を向けると、その隣の席が空いていることに気がついた。
 昨日までは埋まっていたはずなのに、わざわざひと席ずつずらして開けてくれたみたいだ。

「ありがとうございます」
 純はペコリと先生に頭を下げて良明の隣に座った。

 良明の近くにいると胸がドキドキするけれど、やっぱりこうして隣にいてくれると安心感もある。
今はとくにそうだった。

 最後に先生は「なにか困ったことがあったら、河合に相談しなさい」と声をかけてくれた。
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