KISSでチェンジ！

☆☆☆

茜の小説はザッと説明するとそんな感じの物語だった。
ふたりして同時に読み終わった純と良明が互いに目を見交わせた。

「俺の体質のこと、遠藤さんに話した？」
「いいや」

否定する良明。
もちろん純本人が話すはずもない。

「これが人を観察するってことかぁ」
純は天井を見上げてため息と同時に吐き出した。

茜の人を観察する目が確かなようだ。
茜よりももっと感の鋭い人はすでに気がついているかもしれない。

そう考えるとゾッとする。