KISSでチェンジ!
今まではいい人ばかりに手助けしてもらってきたけれど、世の中はそんな人で溢れているわけではない。

もしも、万が一、人体実験とか見世物小屋とかに売り飛ばされることがあったら……。

「大丈夫だって。これは小説だからそう書かれてるだけで、現実世界ではありえないことだってみんなわかってる」

純の膨らんでいく不安をかき消したのはやっぱり良明だった。
良明は純の手を握りしめている。

すぐに振りほどきたかったけれど、その手に安心させられているのでそのままにしておくことにした。

幸いにも今純の心臓は落ち着いているし。
「俺って、結局どっちなんだろう」

いつまでもこのままでいられるわけじゃないのはもうわかっている。
いつか決断しなきゃいけない日が来るだろう。
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