KISSでチェンジ!
そんなクッキーを1人かじっていると、休憩時間が終わる5分前にようやく純が戻ってきた。
楽しそうに友人と会話しながら戻ってきた純を見て、思わず険しい表情になる。

「なんだよ。なんでそんな怖い顔してるんだ?」
良明からの視線に気がついて純がたじろいだ。

「別に、なんでもない」
と、そっぽをむかれて純はとまどうばかりだ。

けれど良明の机の上にあるクッキーに気がついて目を大きく見開いた。
「それって手作りクッキー? お前、大丈夫……」

そこまで言って言葉を切る。
心配することで嫌な記憶が蘇ってきてしまうことを気にしたんだろう。

「あぁ。さっきもらったんだ。ひとつどうだ?」
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