KISSでチェンジ!
 キスで性別を戻してしまう代わりに良明の手助けをすると決めていたのになんたる失態を犯してしまったのだろう。
自分の不甲斐なさに涙はボロボロと溢れて止まらない。

 両手で目を押さえているとヒックヒックとシャクリあげてしまう。
「どうして泣いてるんだ?」

 良明が純の肩に手を置いて訊ねる。
「だって……俺のせいで……良明がっ!」

「純のせい?」
「俺だもっと真剣に相談に乗ってやってれば、こんなことには……!」

 顔を上げて言うと、キョトンとした良明と視線がぶつかった。
 思ったよりも近い距離に驚いて身をそらす。
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