KISSでチェンジ!
 昨日は純が寝入ってしまうまで帰ってこなかったし、さっそく売れっ子かよ。
 と、口の中でぼやく。

 でも、良明のことだから一旦世に出てしまえば帰る時間がなくなってしまうほど忙しくなっても不思議じゃない。

 学校内でもあれだけ人気だし、軽く犯罪にだって巻き込まれるような男だ。
そうなると純とのキスなんてしている場合ではなくなってしまうだろう。

「なんか、策を考えないとな」
 窓の前で腕を組んで仁王立ちをして考えてみても、いい案なんてそんなに簡単には浮かんでこない。

 だいたい、自分のこの体質のことは他者にはほとんど知られていないのだ。

 良明以外の誰かにキスしてもらうとなれば、体質の説明からしないといけない。
そうなったときに相手がどう反応をするかが怖かった。
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