幼なじみのお兄ちゃんが最強王子でして。
結永を送り、すぐに自分の部屋についてモニターに電源を入れる。


映し出されたのは可愛くてたまらない結永。



『美月くん、ゲームと私どっちが大事なの……!』

『そんなの姉ちゃんに決まってるよ。さすがにお小遣いで買えないゲームだったから惹かれただけーそれに5分とかって言わなかった?』

『わ、わかんないけど……!ちょっとショックだったんだからね……!!』

『そっか、それはごめんね……』


……。


すぐに電源を落とした。あの弟もものすごく邪魔だ……。


でも、結永が大切にしているものなのだから仕方がない。


すぐに結永に電話をかけた。ビデオ通話だ。


[も、もしもし理人くん]

「結永、寂しくなった」

[えっ、えええ……!?]

「やっぱ会いたい。今日うち泊まらない?」

[で、でも……]


うーんと迷っている結永は言わずもがな可愛らしい。


答えを待ちながら、机のタンスを引き出す。


入れられていた彼女の写真を集めて、クローゼットの奥に入っていく。

さらにパスワードを入れて開いたクローゼットの中の隠し扉。


隠し部屋に入っていくとそこにはぎっしりと貼られた彼女の写真があった。


新しく撮れたものだから、すぐに見渡せるところに貼ろう。


扉を開けて一番最初に入る壁の空いているスペースに貼り付けて、準備が完了した。


これでいつ結永が部屋に来ても大丈夫だ。

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