不倫日和~その先にあるもの……それは溺愛でした。

 *
 
 今日は関谷総合商社のパーティーと言うことで、菫花は以前お世話になったブティックで、静香さんと対面していた。

「菫花さん、また会えて嬉しいわ。今日はパーティーだったわね。私達に任せて」

 腕まくりを始めた静香さん達に「よろしくお願いします」と頭を下げながら、身なりを整えてもらった。


 そして……。


「蒼紫、準備出来たわよ」

 蒼紫さんは準備を整え雑誌を読んでいたようなのだが、顔を上げると呆然と目を見開き固まっていた。そんな蒼紫さんの視線の先にいた私は、体のラインのくっきりとした濃紺のマーメイドドレスに身を包んで立っていた。濃紺のドレスは腰から膝に掛けてピタリと体のラインが分かるようになっていて、膝から下はフレア状に広がっている。その回りは銀糸で複雑な模様の刺繍が施されていた。清楚で美しいドレスに菫花はそれを着る前から胸をドキドキとさせた。そしてこのドレスに似合うように化粧を施し、髪も複雑に編み込みアップにした。後ろの首元と耳の横から出る後れ毛が、女性としての柔らかさを作り出してくれていた。

 まるで別人の様な出来上がりだった。そんな私に蒼紫さんが熱い視線を向けて来る。 




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