不倫日和~その先にあるもの……それは溺愛でした。
「ちょっと蒼紫、何か言うことがあるんじゃ無いの?」
静香さんにそう言われ、立ち上がった蒼紫さんは、ゆっくりとこちらに歩み寄ると、両腕を私の腰に回し抱きしめてくれた。
「菫花、綺麗だよ。このまま帰ってしまおうか?そのまま朝まで愛し合いたいよ」
何だか聞き捨てならない言葉も混じっているというのに、蒼紫さんが言葉にすると何故かスマートに聞こえる。
ずるいなと思いながら、蒼紫の甘く囁く声と微笑みに菫花が頬を染めると、それを聞いたスタッフも頬を染めていた。
何だかイチャイチャしている姿を見せつけているようで恥ずかしい。
私は気を取り直して息を吸い込むと、蒼紫さんと向き合った。
「ありがとうございます。蒼紫さんもとても素敵です」
蒼紫もこの日のために、スリーピーススーツに身を包んでいた。足の長い蒼紫さんはやはりこう言う服装が良く似合った。まるでモデルのような出で立ちで、立っているだけで絵になる。
「お二人ともとても素敵です。会場の視線を独り占めしそうですね」
「本当に菫花さんお綺麗です」
「楽しんできて下さい」
スタッフさん達に褒められながら、私達はお礼を言って関谷総合商社のパーティーへと向かった。